BGMはカルチャークラブのアレで。
「IPv6でユビキタスなんてありえない」
 坂村氏が最初にやり玉に挙げたのは、ネットワークインフラが整備された世の中では「あらゆる家電、製品にIPアドレスが割り当てられ、IPv6ネットワークで管理される」という考え方。  同氏は、生活環境の中で利用する機器には、リアルタイム性と高い信頼性が求められると説く。しかし、インターネット経由の操作では、これらの機能が損なわれるという。  「IPアドレスを持ったリモコンでテレビを操作するとして、(トラフィックの混雑から)ボタンを押したのになかなかチャンネルが変わらないとか、さっきは変わったのに、今度は変わらない、といった現象が起こり得る」。製品の製造コストも、赤外線を利用する場合より10倍以上高くついてしまうと指摘した。  また、IPv6アドレスを割り当てられた製品が、直接インターネットに接続し始めると、当然それらがハッキングに遭う機会も増える。  「万一、家電がハッキングされれば、電子レンジは火を吹き、冷蔵庫の中身は凍りつき、シャワーの蛇口をひねれば熱湯が出る」。こうした事態を防ぐには、個別の製品にファイアウォールを設定する必要が生じるが、これは現実的でないという。  同氏は、家庭で1カ所がインターネットに接続されていればよいと提唱する。「(ネットワークインフラの利用には)TPOがあるんです。“IPv6でユビキタス”なんてできないし、私はやりたくない。そういうトンチンカンなことをいうひととは、話をしたくない」と、バッサリ斬り捨てた。